20190507【ニコニコ超会議2019】タイトル戦さながらの真剣勝負!超将棋 supported byタカラレーベン「超人間将棋 加藤一二三九段vs木村一基九段」Report!

4月27日(土)・28日(日)に千葉・幕張メッセにて開催された「ニコニコ超会議2019」。今年は過去最多の16万8000人が来場しました。本稿では「超将棋 supported by タカラレーベン」から、ファン待望のドリームマッチ「超人間将棋 加藤一二三九段vs.木村一基九段」をレポート致します!

【 将棋のまち・山形県天童市 】

この「ニコニコ超会議2019」超将棋で行われる、人間将棋とは、1956年から毎年4月に開催されている天童桜まつりの中の一大イベントです。約2000本の桜が咲き乱れる舞鶴山を舞台に、甲冑や着物姿に身を包んだ武者や腰元たちが、将棋の駒となり対局を行います。

天童市は山形県東部に位置する山形市のベッドタウンで、将棋駒の生産量は全国の9割と日本一を誇ります。18世紀に将棋駒の製造方法が天童に伝わり、1831年織田藩が天童に城を移し家臣に「将棋駒」作りを内職として奨励したのが始まりです。1996年には経済産業省から伝統工芸品に指定されました。更に、ふるさと納税の返礼品にも将棋駒が使われています。天童市はまさに“将棋のまち”なのです。

【人間将棋「ニコニコ超会議2019」初生実戦!】

2012年の第1回ニコニコ超会議以来続いている超将棋。有名プロ棋士同士の対局が目玉企画で、2016年からはニコニコ生放送で生中継も始まりました。今年はついに天童市春の風物詩「人間将棋」が初登場。香川女流三段の解説によると、「駒は(人間将棋で使用される本物を)天童市からお借りしている」という、まさに地元が認めたイベントとなりました。

最終第4局は加藤九段と木村九段の対局です。“攻め”の加藤と“受け師”木村の好カードを佐藤紳哉七段、香川愛生女流三段、藤井聡太七段、阿部光瑠六段が解説します。この豪華な一戦を見届けるべく集ったギャラリーは数百名にも及び、階段や2階にまで溢れるほどの盛況ぶりでした。

【 いざ、出陣! 】

今回の対局では体験チケット購入者が駒を務めます。中にはナウシカやネコミミといったコスプレ衣装に身を包んだ駒役もいました。
駒役の皆さんが地上に敷かれた盤面に集結するといよいよ両軍大将のお出ましです。

先手の木村九段は「(全ての駒を)一度は動かせるように頑張ります」と宣言!自軍全員でエイエイオーと叫びます。後手の加藤九段は会場からの「ひふみーん‼」コールで登場!加藤九段も駒役の皆さんとハイタッチした後「張り切って頑張ります」と意気込みました! 赤の西軍・加藤九段は安全を考慮し地上で、青の東軍・木村九段はやぐらに登り、対局に臨みます。

会場では東軍と西軍を応援する拍手が同じ量で飛び交い、期待度が東西拮抗しています。ニコニコ生放送視聴者は62%と38%で東軍推しの様子です。

初手は木村九段の七六歩。両軍とも矢倉(やぐら)で臨みました。正式には矢倉囲いと呼ばれる、将棋の代表的な戦型の一つです。

人間将棋の見どころの一つは対局者同士の武将言葉でのかけあいです。加藤九段が「攻撃でござる」と刺しに行くと、対する木村九段は「強烈な攻めでござる」と切り返します。

駒を動かす際は、駒をイメージしたロック調のメロディが流れます。例えば、香車は突き刺すようなギターサウンドで、メロディが流れる度に会場の熱気が高まっていきます!(本場天童市では太鼓が鳴らされるそうです。)

生中継の解説を読みながら見守る観戦者もいて、ニコ生・超将棋は将棋ファン必携ですよね。どうやら序盤は加藤九段優勢の様です。
陣形が固まる最中、桂馬が跳ねると佐藤七段のカツラが“ポーン”と宙を舞うお約束もしっかりと披露されました(笑)。

【 タイトル戦さながらの真剣勝負 】

色々なパフォーマンスも織り交ぜながら対戦が進んで行き、とうとう互いの先発の駒がぶつかり合う瞬間がやって来ました。それを合図に、ここで解説者が香川女流三段と佐藤七段から皆さんお待ちかねの阿部六段と藤井七段へ、しっかりと法被も受け渡され、バトンタッチされました。

人間将棋では全ての駒を一度は動かすことが慣例とされます。超人間将棋ではそれに加えて、動かなかった駒役は終局後自軍の棋士に一言物申すことができるという特別ルールも設けられました。
中盤戦に入ると、一度も動いていない駒役が全身を揺らしてアピールをする一幕も。

真剣だからこそ動かす駒を絞る加藤九段に対し、両軍全ての駒を動かそうと木村九段が翻弄します。西軍で最後の歩が動いた瞬間には両軍全ての駒の移動達成を祝う万雷の拍手が鳴り響きました。
そんな中加藤九段は積極的に多くの駒を進める怒涛の攻めで、木村九段の玉へと迫ります。一方の木村九段は玉をあらゆる場所に動かして、流れるように猛攻を捌きます。
固唾を飲んで見守るギャラリー。木村九段が徐々に形成逆転していきます。

ついに対局開始から約90分後、加藤九段が「負けました」と投了して決着。木村九段が攻め将棋を制したのでした!

【 戦い終えて… 】

終局後は藤井七段が長手数の詰め筋を流暢に解説。筆者も覚えきれない聞き取れないほどの手数の多さに会場がどよめきました。

両軍大将はインタビューで、
「相当研究されたとうかがえる一局でしたね。見事な受け師の腕、身をもって知りました。」(加藤九段)
「技術的には加藤九段にやられてたと思います。」(木村九段)
と双方を賞賛しました。

最後は両軍全員の健闘を称えて記念撮影。ニコニコ超会議2019「超人間将棋」2日間のトリを飾るにふさわしい熱戦でした!
また、天童市の人間将棋は来年も開催されます。今回関心を持たれた方はぜひ、春の天童市にも足を運んでみてください!

●ニコニコ超会議2019 超将棋「人間将棋」➡
https://chokaigi.jp/2019/sp/booth/cho_shogi.html
●ニコニコ生放送視聴URL➡
https://sp.live.nicovideo.jp/watch/lv319154508

●天童桜まつり告知ページ➡
https://www.city.tendo.yamagata.jp/tourism/kanko/tendosakurafestival.html
●てんどう観光物産ナビ➡ http://bussan-tendo.gr.jp
●天童市ふるさと納税特設サイト➡ https://furusato-tendo.jp/shogi/


写真/ niconico official photos 皆美光
文/ 希見部 真大(きみべ まひろ): 1988年生まれ。アニメやマンガをはじめとした現代文化、和楽器や和菓子、日本のお茶をこよなく愛する。

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