身の周りのあらゆる「モノ」がネットに繋がる「IoT」化が進み、膨大な量のデータが第5世代移動通信システム(=G5)回線を通じて飛び交い、これらの膨大なデータを処理する為に必要な人工知能「AI」。今回はこの「AI」について纏めたいと思います。
そして、前回に引き続き【Special Interview】として『アローサル・テクノロジー株式会社』代表取締役 佐藤拓哉氏のインタビュー 第2回 「AI」について をお届け致します。
【人工知能(AI)とは】
人工知能(AI)とは、人間の知的ふるまい(=自ら考える力)の一部を、ソフトウェアを用いて人工的に再現したものです。経験から学び、新たな入力に順応することで、人間が行うように柔軟にタスクを実行します。
自動運転車など最近話題に上るAIの事例のほとんどは、※1ディープ・ラーニングと※2自然言語処理に大きく依存しており、これらのテクノロジーを応用して、大量のデータからパターンを認識させることで、ビジネスや生活における様々な難しいタスクをこなせるようにコンピューターをトレーニングすることができます。
※1ディープ・ラーニング=Deep Learning(深層学習)とは、十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれる※ディープニューラルネットワーク(DNN=Deep Neural Network:※ ニューラルネットワーク(NN)というパターン認識をするように設計された、人間や動物の脳神経回路をモデルとしたアルゴリズムを多層構造化したもの )を用いた学習
※2自然言語処理とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピュータに処理させる一連の技術
【AIの歴史】
■第一次ブーム
●年代:1950~60年代●背景:コンピュータの出来始め
●特徴:「推論と探索」(探索・迷路・パズル)コンピュータがゲームやパズルを解いたり、迷路のゴールへの生き方を調べるなどの技術に関するブーム
■第二次AIブーム
●年代:1980年代●背景:家庭にコンピュータが普及
●特徴:「エキスパートシステム」専門家の知識をコンピュータに教え込むことで現実の複雑な問題を人工知能に解かせることを試みたシステムで、複雑な問題・例外への対応が壁であった。
■第三次AIブーム
●年代:2000年代以降●背景:インターネット/クラウドの普及
●特徴:コンピュータの自主学習の確立
・2000年代に入り、コンピューターの小型化・性能向上とインターネットが普及。クラウドでの膨大なデータ管理が容易となったことで実現可能なレベルに。
・2016年はディープラーニングを習得したAIが社会に衝撃を与え、急速に発達した年。近年のAIブームは、「機械学習」と「ディープラーニング」の2つのテクノロジーの研究が大幅に進んだことで起こりました。
・2017年は実用的なシステムも世の中に登場し始めて来た年として「AI元年」と呼ばれています。
【人工知能(AI)の種類】
●特化型人工知能(AGI=Artificial General Intelligence)
個別の領域に特化して能力を発揮する人工知能のことで、既に人間以上の能力を持つものが数多く実用化されています。
・Googleカー(自動運転自動車)・医療診断など。
●汎用人工知能(GAI=Growing Artificial Intelligence)
異なる領域において多様で複雑な問題を解決する人工知能のことで、人工知能(AI)自身による自己理解、自律的自己制御が出来て、人間が設計した想定を超える働きが期待されています。
【人工知能の出来る仕事】
人の代わりに単純作業を人工知能が仕事することは勿論ですが、クリエイティブな仕事に関しても、亡き巨匠・レンブラントの画風を再現し、肖像画を「新作」として発表された例など、過去の作品群をAIに学習させれば、抽象的な感性の中にも法則性を見出す事が出来る様です。
突然ですが、皆様こちら可愛い子供たちの写真を御覧ください。
実はこれらの写真はAIにより作成された人物写真なのです。
AIサービスの例として、『photoAC』のサイトでは、AIによる実在しない人の顔写真の製作サービスが開始されています。
●AI人物素材
【2045年に待ち受ける「シンギュラリティ」(技術的特異点)】
「シンギュラリティ」とは人工知能の知性が人類の総和を超えるというもので、この時点を超えると、人類がAIを造っていた時代は終わり、AIはAI自身でより賢いAIを作る段階へと移行すると言われています。これについて世界中で様々な議論がなされています。
ここで重要な事は、AIが過去の事例から法則性を見つけ学習するのだとすれば、私たち人間の行いの事例一つ一つがとても大切になってくるという事なのです。
●シンギュラリティに関する論調
2015年、産業界からビル・ゲイツ氏、イーロン・マスク氏、学会からスティーヴン・ホーキング博士を含む学者・研究者らがAI技術をオープンにし、常にAIを安全に制御できるシステムの開発・研究を民主的に管理する為、AI産業の安全基準に対する公開状を提出。これにより「人類全体に、害をもたらすよりは、有益性があるやりかたで、オープンソースと親和性の高い人工知能を、注意深く推進することを目的」とした非営利団体「OpenAI」を創設されました。
・OpenAIが開発した「OpenAI Five」は今年4月、対戦型リアルタイムストラテジーゲーム「Dota 2」の2018年度世界大会覇者OGに勝利を収め、囲碁や将棋だけでなくゲームでもAIの躍進が認められました。
Googleの「Robotics at Google」と呼ばれる新たなラボでは、AI、機械学習に焦点を当て、実社会において人々の役に立つロボットの開発を目指しています。
【Special Interview】
【AIについて】
佐藤氏「最新トレンド知見会社Gartner(ガートナー)の発表では、AIは2017年後半~2018年が第三次ブームで、過度な期待から幻滅期へと移行し、今は少し落ち着いています。
実は2018年はAIに対する投資額も大きく、大手企業がAIを導入したけれど大失敗した年で、やはりAIでも出来る事、出来ない事の見極めが必要だという事と、そもそも育てる時間がかかるので、最初はやはりデータありきだという事が分かり、2019年は効果的なAIの導入の仕方を、各企業さんが模索している年になっています。」
●人工知能 (AI) の推進に関する提言➡
https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20181025
佐藤氏「とはいえ、今後あらゆる業種もIT化されていくので、当然IT業界を中心にAIを中心に発展していきますので、それを見据えて僕らはAIの事業をしています。そして、今後RPA=Robotic Process AutomationなどAIの発達で人には時間的余裕が出来てくると思いますので、その時の為に僕らはエンターテインメントもしているんです。
僕らの会社の理念「最新テクノロジー×エンターテインメント」は、AIで御社の業務の効率化を図り、皆さんに時間が出来たらエンターテインメントを届けますよ!という事なんです。
AIがどんどん「見える化」をしていて、何が無駄かが分かり、これとこれを組み合わせたらもっと効率いいよとか教えてくれるので、生産力も上がりますし、時間も出来て来ます。
それによって時間が出来た時に人がどうするのか、メリハリのあることをしたい人もいれば、何もしたく無い人もいますので、それに関してもリサーチをしています。」
【AI最新事業例】
佐藤氏「私たちが目指す事業としても、日本の強みであるキャラクタービジネスが挙げられるのですが、現在当社では、NTTレゾナント株式会社さんの「goo botmaker」という、」誰でも自分の好きなキャラクターをAI・bot化することが出来ると言うサービスの共同開発を進めています。」
●goo botmaker➡ https://botmaker.goo.ne.jp/
佐藤氏「現在はプラモデルの株式会社壽屋(コトブキヤ)さんのアニメーションのキャラクターをしゃべらせてみたいファンの人達・研究員の皆様によってAI開発、Bot化していくプロジェクトが行われています。
LINEと連動していますので、誰でも実際にLINEで会話をすることが出来ます。
5 月15 日にリリースされたばかりなのですが、今後メディアだったり、自社のサイトとか、色んな所に登場していくんじゃないかなと思います。
学習させてAIbot が出来上がっていれば、後は色んな所に組み込んで行けばいいですし、ファンの人が、このキャラクターはこういう風にしゃべるんじゃないか、しゃべって欲しいとか育てていくので、そこにエンターテインメント性がとてもありますよね。
こういったキャラクターのAIbot は世界にも通用するサービスだと思っています。」
●「ファクトリーアドバンス・ゼロ」プロジェクト➡
https://botmaker.goo.ne.jp/fad-zero/
【IT 技術の最先端に関わるからこそ感じる未来への展望】
佐藤氏「僕が興味あるのは不老不死なので、GAFA が研究している、・ナノテクノロジー・ゲノム・量子コンピューターに興味があります。」
■ナノテクノロジー
小さいモノを人の体に忍ばせて健康状態のデータを取得する事を研究しています。
■ゲノム
人の寿命を延ばしてくれる、細胞を改良する研究等されており、AI テクノロジーによってその技術は加速してくれると思っています。
■量子コンピューター
上記のこれらの組み合わせによって、出来ない事はないと思っています。最近では量子コンピューターによって人の身体と意識体は別に存在するだろうという説もあるそうです。
実験し可視化する事が出来るのが、量子コンピューターの優れた技術ですし、不老不死も実現できる可能性があると、僕はこれらIT 技術の生み出す将来に期待しています。」
FVJ「佐藤様改めまして、この度は大変貴重なインタビューのお時間を頂きまして、誠にありがとうございました。」
今回お話をお伺い致しました佐藤氏が専務理事を務める、一般社団法人 日本イベントエンターテインメント協会と、今話題沸騰の「うんこミュージアム」が入るASOBUILD(アソビル)を運営している株式会社アカツキライブエンターテインメント主催による、「ライブエンターテインメントの未来について語る、これまでにはないリアルエンターテインメント特化型のカンファレンスが開催されます!
【「DAWN 2019」概要】
■日時:2019年7月3日 14:00〜18:00 AfterParty 18:30〜21:00
■内容:●「うんこ」をテーマにしたエンターテインメント「うんこミュージアム」の仕掛け人の小林 将氏、「SEKAI NO OWARI」元マネージャーで株式会社RED代表取締役 宍戸亮太氏、そして謎解きエンターテインメントを代表する株式会社SCRAP 代表取締役 加藤 隆生氏によるトークセッション
●新たなライブエンターテイメントを手がけるプロデューサーたちによるプレゼンバトル
●After Party
■公式HP:https://asobuild.com/dawn2019/
・イベント関連企業のご担当者・イベント協賛に興味のある企業のご担当者様、是非皆様の御参加をお待ちしております!
『アローサル・テクノロジー株式会社』Plofile
代表取締役●佐藤 拓哉
事業内容●AI・WEBインテグレーション事業、デジタルマーケティング事業、エンターテインメント事業
設立●2013年9月
所在地●東京都港区北青山2-7-27青山外苑ビル9F
電話●03-4400-1357
URL●https://www.arousal-tech.com/
文/皆美光
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