20181219【Stages&Music】川渕かおり完全復活・KAO=S単独公演『桜の鬼』Report!

2018年2月。本番中にKAO=Sヴォーカリストの川渕かおり氏を悲劇が襲った。
左膝前十字靭帯断裂の重傷。それから、10ヶ月。川渕かおり完全復活公演と銘打たれた、KAO=S単独公演『桜の鬼』が12月11日㈫、Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われた。


薄暗い会場の中で観客は今か今かと待ちわびていた。そう、川渕かおり・彼女の帰りを待ちわびるかのように。
ブルーライトの静寂の中で山切修二氏の澄んだギターサウンドが響き始める。
いよいよ川渕かおり氏が舞台中央に現れ、会場の青色と同じ様に透き通った第一声を発したのであった。
そして目に飛び込んできたのは、鮮やかなブラッドオレンジの、袂の長い着物がアレンジされた、魅惑的な衣装(衣装協力 MANAKA)で歌う、艶やかなかおりさんの姿であった。

まずはこのライブの始まりを確かめる様に、造語や日本語を織り交ぜた「Opening Improvisation」を披露。
青いライトに包まれしっとりと歌い上げた。

衣装協力 MANAKA

そして、打って変わってライティングがフラメンコの様な情熱的な赤へと変わり
「松明」と「地割れ」 を熱唱した。

ここで、戻って来られた喜びを噛みしめながらMCをするかおりさん。
「皆さん、こんばんは!KAO=Sです!2018年の間に皆さんの前に戻って来られて嬉しいです!
今年は色々な事がありました。今日のライブは完全復活を銘打ったワンマンライブなのですが、今回沢山の方がこの会場に駆けつけてくださって、本当に多くの皆様に支えられているんだなと感じました。
本当にありがとうございます!今日は目一杯楽しんで行ってください!」

その喜びを表現したかの様な、明るく心が温まる曲「舞夢」が、かおりさんから曲紹介された。
曲中、客席に手拍子を煽ったり本当に嬉しそうに歌唱する。途中気持ちが早って客席に降りてしまいそうになる程の勢いだった。

そうして「舞夢」が終わり、会場が再び静寂に包まれる。
静まり返った会場内に山切さんの厳かなギターの音色が奏でられる。その音色は日本人なら誰もが幼少の頃習い知っている曲「荒城の月」だ。
この曲はそれまでライブでは演奏されていたが、先月SpotifyとApple Musicにて配信Releaseされた曲である。その曲には叙情と郷愁が溢れ、山切さんの歌唱力がそれに拍車をかける。
そして、一転。曲調が一気にロック調へと変わった。曲のスピードが一気に加速し、疾走し「今、いずこ…」と結ばれた。

■Spotify
https://open.spotify.com/album/41VHGeRlDshhpyxW2n4nYy
■Apple Music
https://apple.co/2zmAihC

「荒城の月」を歌い上げた山切さんは、MCにて今日のゲストの皆さんとの出会いを語った。
「今日は年の瀬の大変忙しい中に、大勢の方に足を運んで頂いてありがとうございます。
KAO=Sは今年は色んな事があり、そして沢山の出会いがありました。
その中から本当に素敵なゲストをお呼びしております。まずは、世界で初めて528ヘルツに調律された癒しの尺八・篠笛の奏者の山口整萌さんです。
彼とはフランクフルトでの初の日独文化イベントで知り合いました。その際にセッションしましょう!と云う話になりまして、KAO=Sのデモを吹いてみてくださいとお願いしました所、とんでもなく素晴らしい演奏が返って来まして!
それを今回はどうしても皆さんに聞いて頂きたいなと思って、お呼び致しました。まずは、ご本人の曲で「Yashiro」。」

そう告げられ、しんと静まり返った会場にゆっくりと山口整萌氏の尺八が響き始めた。
その音色は、山切さんが語った通り、遠き山を越え大平原・大草原が果てしなく続いて行くような、美しい癒しの音色で、会場を包み込んで行った。
そこへ山切さんのアコースティックギターの音が重なり、ハーモニーを奏でて行った。

曲中赤い番傘を持ち、薄い紫の着物で登場したかおりさん。
そろり、そろりと歩き、そして番傘と共にゆっくりと舞い始める。山口さんへ寄り添って見せたり、優しくも力強く舞う。

番傘をゆっくりと置いた後、次に帯から扇子を取り出し広げ舞う。
赤と金のグラデーションの扇子も会場では映え、山切さんのアコースティックギターと山口さんの尺八の、壮大な曲の中で舞うその姿は美しかった。

「トントントン…」
「Yashiro」が終わり、すっかりその曲の世界観に飲み込まれていた客席に向かい、かおりさんが語りかける。
「ザザザザザザー…、ポツリ。…ポツリ。…ポツリ。…ポツリ。」
そうしてゆっくりとギターが始まり、次の曲「ねあん」が始まる。
間奏にて尺八が入ると更に昔懐かしい情景が浮かぶ。とても優しいメロディと歌詞、そしてかおりさんの歌声に会場皆が酔いしれた。

酔いしれた所で、次の曲は和でありながらRockな「黒田節」が披露された。
間奏で踊り出すかおりさん。まだ大きな振り付けでは無いが、思い切り踊れることがどんなにか嬉しい事だろう。こぶしを効かせ思い切り歌い切った。

楽器メンバーで次の曲が奏でられ始める。
衣装チェンジに時間がかかるかと思いきや、かおりさんが早着替えで再登場。
その衣装はまた和装とは全く異なり、全身真っ黒の洋装・ゴシックな模様の入ったロングジャケットの前側チャックをしっかりと閉め、とても美しくcoolな出で立ちで現れた。
そして、音楽というよりは渾身の”語り”のパフォーマンスである「CHAOS」を魂を込めて語りあげた。

曲の中に語りが入る曲はあるが、これほど、語りがメインでつづられる曲、と云うのはKAO=Sの特徴の一つと言えるかもしれない。
彼女から生み出される言の葉は、力強く見ている観客の魂に響き渡る。
そして、急に照明が明るくなり、童謡の”桜”が歌われる。そのギャップにまた見ているものは引き込まれるのである。

ひとしきり盛り上がってきた中盤、かおりさんからメンバー紹介がされた。
「ドラム:田中航、ベース:勝矢匠、ギター:大越王起也、パーカッション:Sammy、ギター/ヴォーカル:山切修二、そしてヴォーカル/剣舞:川渕かおり!」

「2018年にこの復活ライブをしたいと思って色々企画をしてきました。2月にケガをした事で、本当に色んな事を考え、動けることがどんなに素晴らしい事かを感じました。
そして、周りの人達が本当に温かい人達ばかりで、とても恵まれているなと、本当に心から皆さんに感謝致します。
次の「世界の朝」と云う曲なのですが、私達がこうして当たり前の様に過ごしている朝も、世界の色々な所では、戦争があったり、美味しくない食べ物を奪い合ったり、様々な朝を迎えている人たちがいます。この曲の中にコーラスがあるので、是非皆で歌ってください!」

そう言って、手を振りながらフレーズを歌い、皆に教えるメンバー。
曲が始まり、その言葉一つ一つに心を込めて語り、歌い始める。
海外公演で飛び廻っているKAO=Sなだけに、その込められたメッセージには考えさせられる。
コーラス部分。会場と一体になろうと大きく大きく全身でアピールし、手拍子をして声を張るかおりさん。
そして、それに応えて客席のみんなも声を出し始めた。
一歩一歩。一つ一つ。動き出す。皆のコーラスは心地がいい。
こうして会場は一つになっていったのであった。

会場が声を出し熱くなった所で、しっとりとした曲「AMRITA」が披露される。
曲調は激しくは無いが、出てきた時は前を閉めていたジャケットも、この頃には脱ぎ捨てて、さらには靴も脱ぎ、マイクスタンドを避け、かおりさん本人は裸足で熱く激しいダンスを披露し、その思いを表現したのであった。

山切さんから、津軽三味線奏者の白田路明さんの紹介がされた。
白田路明さんは、吉田兄弟の吉田健一さんプロデュース、津軽三味線集団「疾風-HAYATE-」のメンバーとしても活躍されている。
「それでは、白田路明さんとは次の曲も一緒に弾いて頂きましょう。「桜の鬼」。」

山切さんのギターと白田さんの津軽三味線が切なく奏でられ始める。

演奏の中ゆっくりと舞台へ現れたかおりさんは、赤いドレープ状のドレスを身に纏い、般若のお面を付け狂おしく、踊り始める。

鬼に取り付かれたように、鬼気迫るパフォーマンスと深い深い演奏。
仮面を外し、更に踊る。その形相は本当に鬼の様に鬼気迫っている。
踊り踊り、倒れ込むかおりさん。
それは、まるで地獄から這い上がろうとしているかの様だ。
糸を手繰って上へ登ろうとする。糸を手繰る、手繰る。そして、掴む。
演奏がさらにその臨場感を出し、悲壮感を奏でる。
糸を手繰っても、手繰っても、どこにも到達しない…。その虚しさを表現しているのだろうか。
そして、刀を鞘から抜き、激しく一息に刀を振る。

狂気を以て激しく殺陣を踊る。踊る。

一心不乱に刀を振り、舞う。山切さんのギターと白田さんの津軽三味線もより激しく激しく、弦が切れんばかりに音をかき鳴らした。

完全燃焼したかおりさん。
その激しい狂おしい殺陣によって、川渕かおりの”完全復活”を応援に駆けつけてくれた皆さんへ、堂々と魅せてくれたのであった。

アンコールを迎え、山切さんがメンバーを呼び込みます。
「楽しくやりましょう。」
と、寛いだ様子で、
「今日のライブのタイトル「桜の鬼」はKAO=Sとして最初に作った曲です。」
そう言って、かおりさんとの出会いを山切さんは語ってくれました。
「かおりとの出会いは、彼女が僕のライブを見に来てくれたんですね。
僕のライブを見て、あなたこんなところで何やってるの?!って言われて(笑)。一緒にバンドをやろうって誘ってくれて。
彼女は色んな事をされてる人で、女優だったり、歌手、殺陣やMotion Actorだったり、彼女は既に活躍されていたので、畏れ多かったです(笑)
これだけ多くの事を精力的にアクティブに行う彼女ですから、今年のケガで思う様に動けなかった事が、彼女にとってはどれだけ辛い事だろうか。と、とても思いました。」

こう話された山切さん。その表情は見えなくても、ケガをされたかおりさんを気遣う想いがとても溢れていた事が、容易に感じ取れたのであった。

「それでは、次はまた、素敵なゲストをお呼び致します。
北野武監督「座頭市」の出演他、メジャーアーティストの振付など、各方面で活躍中のタップダンサー古庄里好さんです!」

長身でタキシードを着たスマートな男性が現れる。

セッション一曲目、山切さんを始めバンドメンバーと共に、会場も一体化する様なポジティブな楽曲で古庄里好さんも素晴らしい、見事なタップを披露!
「次の曲はドイツへ行く時に、ドイツと日本の友好の曲を作ろうじゃないかと作った曲です。「結う-Yu-」。」
ブルーライトの中、三味線の音色が響き渡る。エスニックの様なノスタルジックな楽曲。
とその時、客席中央通路を通り、かおりさんが刀を持ち登場しステージへ!

メンバーが全員揃ってのパフォーマンス。会場も盛り上がらない訳が無い。

楽曲陣の音が止まり、三味線奏者の白田さんの「はっ!!」と云う掛け声と共に、激しくなる演奏。
会場の手拍子も大きくなる。転調をして更にヒートアップする。果てしなく広がる大地を無限の可能性を秘めた未来へ向かって疾走するかの様に。
パフォーマンスと音楽、最後は全員で、一刀両断!

「人生って次の瞬間「えっ本当にこんな事が起こるの!?」って事が起きたりします。例え何もかも失ったとしても、それでも、命さえあれば、生きて前へ進んでいれば、何とかなる。これからも行きたい場所へ向かって、前へ前へ進み続けて行きたいと思います。
ここへ来てくださった皆様へ、心から感謝致します。
そして、また、元気で会いましょう!」

かおりさんから、一語一句、心の籠った言葉が会場の皆さんに伝えられ、ラストに相応しい、とても優しく愛に溢れた曲「桜香る」が贈られた。

ステージの縁に座り歌いながら客席へ向かって微笑むかおりさん。
山切さんのファルセットもコーラスも愛溢れて美しい。
曲の中で再度大事なメンバーとゲスト紹介がされる。
名残を惜しむ様に、メンバー全員笑顔で、演奏もパフォーマンスも一心不乱となる。会場も全体が一体となり、最高の瞬間となった。
演奏が終わり、大歓声の中ステージで感謝の挨拶をするメンバー。

メンバーがはけても鳴り止まない拍手。
そして再度登場したサポートメンバー。
客席からかおりさんへ復活を祝う花束が贈られた。
かおりさんにとっても大変嬉しい最高のサプライズであった。
最後に山切さんが尊敬を込めて、かおりさんをこう紹介した。
「海外の人は彼女の事をこう呼びます『Lady SAMURAI』!」

ライブ後も、会場を後にする皆さんへ感謝を込めて丁寧に挨拶される、かおりさんの愛溢れる姿があった。
来年はまた最高のコンディションで素晴らしいパフォーマンスを皆に見せてくれるだろう。
こうして2018年を締めくくるこのライブ、”川渕かおり完全復活”と言う最高のプレゼントが、KAO=Sからファンの皆さん、そして沢山の周りの皆さんへと、贈られたのだった。

■この日は川渕かおり氏に密着取材をしていた BS-TBS 『#ストイック女子』も本ライブの様子を取材。
こちらの番組は来年2019年放送予定!是非お見逃しなく!
BS-TBS 『#ストイック女子』 ➡ https://www.bs-tbs.co.jp/stoic-girls/

写真/ Tomohide Ono 文/二月一日


『KAO=S』情報

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