世界で活躍している画家、小林舞香氏が総合プロデュースを手掛ける舞台『春夢共鏡』。約1年振りとなる東京・浅草での公演が、2019年10月8日(火)~11日(金)まで開催されました。その舞台の模様と今後の予定、そして壁画師としても歩みだした小林舞香氏のスペシャルインタビューをお届け致します。(※12日(土)までの公演の予定でしたが、台風19号の為公演は中止となりました。この度被災されました多くの皆様へ深くお見舞いを申し上げ、1日でも早い復興を心よりお祈り申し上げます。)
【主催「紺夜 -KOOYA-」について】
舞台『春夢共鏡』としての興行は約1年振りですが、その間の活動は非常に濃厚であったに違いありません。
「浅草発・世界行き」をコンセプトに 昨年発足され、8月に初公演・9月に再公演を東京で行った舞台『春夢共鏡』でしたが、昨年の末には、イギリス・ロンドンで開催された日本文化イベント「Hyper Japan」にてパフォーマンスを披露。その後、主催団体の屋号を「紺夜 -KOOYA-」とし、今年の7月にはフランス・パリで毎年開催されている「Japan Expo」のステージにも出演を果たしました。そのままパリでは現地の重要文化財の施設「Aux Belles Poules」にて、日本人として初のイベントも開催。
●Japan Expo➡ https://youtu.be/tDwuyU5v1EY
●Aux Belles Poules in Paris➡ https://youtu.be/0CVb5Vhkplw
その他「紺夜 -KOOYA-」として日本国内でも積極的に公演を行っており、大阪や栃木、群馬などの地方や東京都内の「大江戸温泉」などの観光施設等でもパフォーマンスによる興行を行っています。
この様に国内・海外問わず活発にプロモーション・興行活動を敢行し、その知名度や活動の場を着実に広げており、2019.11.09(土)~11(月)に開催されたバンコク公演 @ LHONG1919 (タイ)にも出演されました。
※詳細はこちら➡ https://kooya-event.com/campaign/201911091111/)
【舞台『春夢共鏡』2019年10月10日(木)14:00回公演】
儚くも切なく命を懸けるほどの情熱を孕んだ花魁の生き様を描く第一部・舞台『春夢共鏡』。その舞台がこの1年でどの様に進化を遂げたのでしょうか。そして第二部は一体どの様なパフォーマンスが披露されるのか、とても注目の公演となりました。
今回のレポートの中でこれだけは確実に言えます。小物一つ一つにまで拘った美しいオリジナルの世界観、舞台の中での洗練されたギミック・パフォーマンス・演出はこの舞台『春夢共鏡』・紺夜 -KOOYA-でしか見る事が出来ません。
■第一部 舞台『春夢共鏡』
★『春夢共鏡』Official HP➡ https://shuntomo.com/
物語は美しいストリングスの曲の中、1人の花魁の道中からはじまる…。
花魁と若旦那との濃密な時間。
この舞台の大きな見所である、花魁の早着替えのシーン。
若旦那により盛大に宴が催される。
アクロバティックでありながらも、とても親しみの湧く主人公・若侍と親友たちとの掛け合いのシーン。
花魁と若侍の胸打つ再会。
何気ない日常の裏側で若旦那の企みが…。
若旦那と若侍への想いの中で葛藤する花魁の注目の演出のシーン。
花魁と若旦那の祝言が挙げられる。
若侍と共に逃げる事を選んだ花魁。
最後の追っ手、親友との悲しくも激しい戦い。
花魁と若侍の恋の結末は…!そして…
【舞台『春夢共鏡』総合プロデュース・小林舞香氏 Special Interview】
(F:FolkVisual Japan M:小林舞香氏)
F:まずは本日『春夢共鏡』10日14:00の回無事に公演終了、大変お疲れ様でした。早速ではございますが、今回の第一部・舞台「春夢共鏡」の見所についてお聞かせください。
M:はい、本公演の舞台の下地になっているのはやはり昨年の舞台なのですが、今回ブラッシュアップが目的の舞台なので、1年間の活動を通して私達の表現の幅がどれだけ広がったかと云うのを確かめる為に、ストーリーや設定を変えずに公演を行いました。
今回の舞台、どう云う印象を持たれましたか?
F:印象としましては、昨年の『春夢共鏡』に比べてポイントは抑えつつも全体的にフラットで、コミカルにより砕けていたりと、とても見やすく、親しみやすくなっていたと感じました。
M:そうですね、スピーディーにしたというのが一番大きいのですけれども、第一部の舞台「春夢共鏡」で感じていた間延びした部分を、演者と演出家で話し合って短くして行こうとなり、その上でどんな工夫が必要か。例えば着物ですが、今回和裁師の方に1分で着られる着物を作って貰いました。
そうやって、一つ一つ根拠を持って小道具を作ったりしました。
それは絵画と一緒でこの「春夢共鏡」というキャンバスに、昨年ラフ画を描いてちゃんと安心して色を塗れる土台を作ったからこそ拘れる訳で、今年はそこへやっとどんどん色を塗り始めて、今は第1層目の色をのせた状態。来年になったらまた重ね塗りが出来ますよね。そこの様に「春夢共鏡」というキャンバスにアートとしての色合いが増えたので、そこがとても見所なのでは無いでしょうか。
それから、例えば主役の方の袴も、昨年と違い今年は私の絵が反映されていたり、足りないピースをどんどん足していくのが「春夢共鏡」なので、衣装の面でも昨年よりも一層拘った見所かなと思います。
F:その衣装の面でのこだわりの一つとして、伝統工芸の和裁師の方とコラボレーションをされたと云う事ですね。
M:はい、そのコラボした若い元山兄弟さんは、和裁師の家系なのですが、今までお2人は着物は着て来られなかったけれど、自分たちの血をきちんと伝えていかなくてはならないと意識を持った時に、和裁師としての簡単に着られる着物をつくろう!と製作し、先日それで意匠権を取られました。
●和裁師・元山兄弟着物ブランド『巧流-call-』
➡ http://call-kimono.com/
伝統をどうやったら繋いでいけるか、そういった意識を持った人達を、この舞台を中心にして集めていく。この舞台がファッションショーにもなると云う事ですね。
今回衣装で携わっているのが、舞台衣装専門の方、和裁師の方、そしてもう1人が職人さんにフィーチャーした衣装さんの3者の方です。それぞれが根拠を持って活動していて、私達の舞台を通してアピールをしていく事で、マーケティングにもなる訳です。この様にやっと、今年は仲間探しを始められたという所です。
F:本当に色々なコラボーレーション始められていて、素敵なデザインの和太鼓も今回伝統工芸とのコラボのうちの一つですよね。
M:そうなんです。今回の三浦太鼓さんは今の代表の方が40代で若くて、とても発想も革新的です。私達は愛知県までわざわざ足を運んで、こういった意図で太鼓に絵を描かせて欲しい!ときちんとお願いして今回実現しました。
●慶応元年1865年創業 三浦太鼓店
➡ https://taikoya.net/
M:来年は隣の太鼓も描かれていると思います(笑)。最後には全ての太鼓を埋めていきます。そういう意味でも、ちょっとずつ自分のやりたい事に近づけていますね。 「春夢共鏡」は玉止めの様な意味の進化の過程ですので、毎年意地でも(笑)続けて行きたいと思いますので。来年はまたこのキャンバスの上に色を重ねていくので、皆様に楽しんで頂けたらなと思います。
F:それでは、次に第二部・紺夜 Special Performanceの見所についてお聞かせください。
M:実はこちらのパフォーマンスはこれから発信していく新作です。みんなが「新しく作りたい!」と言って制作したプログラムで、最後の全員がどんどん出て来る演目の長い曲もオリジナルを作って頂いて、曲名も「紺夜」です。これをパッケージにして、今後海外へ、11月のタイでの公演にも持って行きます。
作り込むには本番を繰り返す事で向上していくと思うので、今回の公演もブラッシュアップする為に毎公演終わる度に反省会をしていました。
海外公演を意識しているので、(舞台「春夢共鏡」との)ギャップを作ろうとしていて、日本の「和」をもっと大事にしながら核心を入れている形です。
舞台と2つを比較しながら制作していて、曲の選び方も違っていると思います。
F:「春夢共鏡」の音楽は物語に合わせた和風な物が多く、パフォーマンスの方は、人気のポップスなども使われていますね。
M:パフォーマンスの方は、例えば2人の忍者のパフォーマンスだけを海外で公演するとか、切り出しが出来ます。舞台の方はそれが出来ないので、パフォーマンスの方で紺夜を育てながら、いずれは主催で海外のシアターを借りて、舞台「春夢共鏡」を公演する。それがゴール何です。「春夢共鏡」に始まり「春夢共鏡」で終わる。
F:その目標の一つがオペラ座公演の実現ですね!
M:はい、それを当初からの目標としています(笑)。それまでは急には出来ないので、実現させるためにも、紺夜のパフォーマンスを国内・海外で公演をどんどん行っていきます。
F:それでは、紺夜 -KOOYA-の今後の活動予定についてお聞かせください。
M:紺夜 -KOOYA-のロードマップとしては、「花魁」「忍者」をコンセプトとした活動は、 2020年10月の「ドバイ国際博覧会」をゴールに定め、UAEでどれだけ世界の人々の関心とスポンサーを得られるか勝負をしたその結果を以て、その後の活動方針を決めていきます。
それまでにアジア圏でも仲間を増やします。今度の公演はタイに行くのですが、パフォーマンスと云う意味でも親日と云う意味でも、私はタイと云う国はとても素晴らしい国だと思っていて、現地に私達に興味を持ってくれている強力なチームがいるので、タッグを組んで、アジアの団体を作ってヨーロッパに挑もうと考えています。紺夜 -KOOYA-の8人だけよりも、色んなアジア代表のパフォーマンス集団と一緒に行った方が、イベントとしては面白いじゃないですか。私はアジア圏の連携って世界でも大事だと思っているので、タイ公演はその活動の一歩でもあります。
それから今、国連(国際連合=United Nations)が掲げているSDGsの17項目が調度、色パレットになっていて、私は色を扱う職業なので、それも自然に取り入れて、自然に意識する様な公演にしていきたいと思っています。
●SDGs(Sustainable Development Goals)とは…人間、地球及び繁栄のための行動計画として、2030年までに達成すべく、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会など、持続可能な開発のための諸目標を国連で掲げている。
➡ https://www.un.org/sustainabledevelopment/
F:国連のお話が出ましたが、舞香さんは個人の画家としての活動の中でも、国連NGOで販売フォームを設けられ、売り上げの一部を発展途上国での児童支援や女性の自立援助を目的として国連女性機関(UN Women)への寄与も積極的にされていらっしゃいます。画家「小林舞香」としての今後の活動予定についてもお聞かせ頂けたらと思います。
M:こちら紺夜 -KOOYA-は画家がプロデュースしているパフォーマンス集団なので、私個人、画家としてもちゃんと活動していないといけない訳です(笑)。
自己ブランディングを続けて行く上で、どうしたらいいか?となった時に、ただ絵画を売り続ける事から抜け出して、「壁画師と言えば誰か?」「=小林舞香」になる活動を今から始めないといけないと考え、現在こうして活動しています。
例えば今後ドイツに行った時に、皆には舞台公演をしてもらって、私は裏方に回るだけではなくて壁画も描いてる。そういう同時進行が出来る様になるのが理想です。
私が舞台と一体化してしまうと、活動が広がらなくなってしまうので、理解してくれた仲間を信じて舞台は任せて、私は壁画に専念する事でスピードを上げていく事によって、私と舞台のそれぞれの知名度upの相乗効果に繋がって行くと思っています。
F:壁画はボランティアで始められていますよね。
M:壁画を依頼する側からしても、ホームページ開いた時に一つでも多く実例サンプルがあるといいので、今は作品をより多く制作しようと、制作スピードを上げる為、壁画師としての実績を積む為、自分で期間と件数を決めて募集をしてボランティア制作を始めました。
この活動を企画書にまとめて、それに対して、出資・スポンサーも募りました。地方創世の為にアートを落とし込むと云う活動に賛同してください。と伝えて、援助して頂いたり、仲間になって頂いたりして、自分の損にならないボランティアの方法を採用しています。
F:遠い先の未来まで考えた時に、壁画はアートとして残っていく物ですよね。
M:だから最終的には描いちゃいけない場所に描いて見たいです(笑)世界的寺院とか。
F:それから素晴らしい画家のスキルとして、描くスピードがとても早いですよね。迷ったりはされないですか?
M:迷わないです。一番迷ってる段階は、まだ紙にラフ画を描いている時です。ラフ画の時に何日で描けるか製作日数も大体区切って考えます。
F:ラフ画はどの位の時間で描かれるのでしょうか?
M:音楽を聴きながらでも、描き始めたら最初に色合いから考えて1時間くらいで描けます。ラフ画はそれ以上考えるものは大体いい絵では無いので。ラフを描き始めるまでが一番時間がかかります(笑)。身体も一つしかないですし、締め切りがあるので、スピードは重要です。舞台と平行で壁画を描くのは、まだ始めたばかりなので慣れてませんが、続けて行けば慣れていくと思っています(笑)。
F:全て目標を持ってやろうされている事なので、モチベーションは高いですよね(笑)。
M:はい、自分で決めた事ですので。人に言われてはとても出来ないですね(笑)。活動自体は始めてまだ2年目なので、悩むこともあります。やはり色々と時間はかかりますね。
舞台演出の阿比留さんもとても成長したと思いますので、是非次回インタビューしてください(笑)。
アートもパフォーマンスも活動するに於いて、ケガ人が出たり、台風が来たり、どんな時でも安心して活動するには資金も必要で、人が何処に賛同してくださるかと云うと、「人の役に立つこと、人をわくわくさせること。」が大事で、それを考えていくと、素晴らしい事・良い事に繋がって行くと思っています。
これからも皆が一緒に楽しく活動していく為にはどうしたらいいか、皆を鼓舞して飽きない様なロードマップを作りながら、目標が達成できる様に頑張って活動して行きたいと思っています。
F:活動が浸透していくには時間はかかるかもしれませんが、とても素晴らしい活動は必ず広がって行くと思います。今後とも是非頑張ってください、応援しております!
舞台公演後のお忙しい合間にこの度はお時間頂きまして、誠にありがとうございました。心より感謝御礼申し上げます。
■第二部 紺夜Special Performance
●SPECIAL GUEST 綾香 山本哲也
澄み切った静寂の中で奏でられた、一糸乱れぬクリアで美しいタップ音の重奏。
●青井美文
歌詞世界観は純和風、楽曲はゴリゴリCoolな『トキヲ・ファンカ(TOKIO FUNKA) 』 の曲に、画家「小林舞香」の絵を纏い踊るそのパフォーマンスは、毎一秒どこを撮っても、原色の美しいアート絵画である。その写真を全て堪能して欲しい。
●春雷(阿比留大樹・高島洋樹)
忍者に扮し縦横無尽に宙返りなど飛び廻り、見事なアクロバットを披露。
●湧田 舎大
大車輪と人が一体化し自由自在に舞台上で遊ぶ、美しくも不思議な光景。
●櫻井 佑樹
力強い意志を持った和太鼓の音色。徐々にヒートアップさせ、会場へ演者を引き込み、女性陣のしなやかな踊りと、男性陣の力強い踊りで一丸となり、会場を沸かせました。
●キャスト紹介&エンディング
第二部は、舞台とは違いそれぞれ演者の皆様の特徴を特化した、とてもcoolで見ごたえのあるパフォーマンスの連続でした。
【紺夜 -KOOYA- 出演情報】
《2019年 》
■かわごえ産業フェスタ(埼玉)
●11月24日(日)14:00〜14:30 (雨天中止)
出演:青井美文/阿比留大樹/高島洋樹/舞宮奈央/湧田舎大/井波知子/櫻井佑樹
イベントホームページ:https://koedo.info/191124kawagoesanfes/
詳細:https://kooya-event.com/campaign/20191124/
《 2020年 》
■JAPAN EXPO Thailand@Central World Plaza(タイ)
●1月31日(金)~2月2日(日)
イベントホームページ:http://japanexpothailand.com/
詳細:https://kooya-event.com/campaign/202013122/
■ROUND HOUSE LIVE 2020 @なんばHatch (大阪)
●2月23(日)
出演:青井美文/阿比留大樹/高島洋樹/涌田舎大/櫻井佑樹(和太鼓奏者)
詳細:https://kooya-event.com/campaign/20200223/
★紺夜 -KOOYA-
●Official HP:https://kooya-event.com/
●twitter:https://twitter.com/KooyaJapan
★画家「小林舞香」
●Official HP:http://maika-k.com/
●twitter:https://twitter.com/maikyarian
舞台・パフォーマンス集団としての「紺夜 -KOOYA-」、画家としての「小林舞香」氏と、それぞれの今後の活動がどちらも大変楽しみです。
再度お伝え致しますが、どれを取ってもここでしか見られない舞台、パフォーマンス、アート、世界観です。是非皆様、予定をチェックして実際にこれらの世界観に触れてみてくださいね!
文/皆美光 写真/ataca maki
©ataca maki:PROFILE
イベント撮影やウエディング、エンゲージメントフォト、家族写真
様々な業種の店舗のwebページ、ブログ、DM等の撮影も行う。
Website http://151truevine.wixsite.com/less-is-more
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