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20180831【Stage Reports】「浅草発 世界行」舞台『春夢共鏡』Report!

2018年8月21から「浅草六区ゆめまち劇場」にて公演を行い、26日に大盛況にて千秋楽を迎えた “花魁”をテーマにしたダンスパフォーマンス・ノンバーバルショー「春夢共鏡」。その25日18:00からの舞台公演をレポート致します!

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——舞台『春夢共鏡』
これは、この舞台に携わる人々の全く新しい”感性”と”技術”と”思考”と”肉体”で創造される舞台『春夢共鏡』と言う「新世界」なのである。

8月25日㈯、公演5日目を迎えた。
全9公演も終盤、初日から振袖新造の一人を演じるWキャストのmayumiが無事に役を終え、舞宮奈央に代わり2日目・3公演目となる。
現場での役者・スタッフ陣の雰囲気はかなり落ち着いてリラックスし、伸び伸びとしている様子であった。人が素晴らしいものを生み出すには、適度な緊張とリラックスがバランス良く必要である。なので、現場はとても良い状態である様に見えた。 ただ総合プロディーサーの小林舞香は少々お疲れの様である。初の総合プロデュース、出来る事はあらゆることをしている、無理もない。
この公演を含めて残り3公演。ラストスパートである。 役者・スタッフ全員で大きな掛け声で気合入れをし、いよいよ開場時間を迎えた。

——そうして、開演前には客席はほぼ埋まり、5日目・9公演目の舞台が始まった。

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沢山のお客さんの話声の渦の中、BGMの三味線の音が止み会場が暗闇に包まれる。
そして、美しいアンビエントな曲が流れ始め、それと共に舞台『春夢共鏡』と言う世界の主役である”花魁”が禿・振袖新造・妓夫を連れて”花魁道中”として練り歩き、ゆっくりと姿を現した。

 

そして美しいバイオリンの曲がすうっと消え暗転。一転して賑やかな祭り囃子が流れ始めた。
花魁は若旦那に見初められ連れられて何処かへと去り、残された人々が楽しく踊り出す。
踊りながら、全員が花道まで来てお客さんへアピールし、会場全体がこのお祭りに引き込まれて行く。

祭り囃子に引き寄せられたのか、二人の若侍が舞台下手から現れ、お客さんの目の前を通り、花道から舞台へ上がり皆の中へ加わり共に踊りだす。益々賑やかになる人々の祭りの輪。

●禿役の大塚杏奈が無邪気にはしゃぐ姿はあまりに可愛く、誰が見ても胸がきゅんとし癒されるでしょう。振袖新造役の井波知子と舞宮奈央はとても品良く美しく舞い踊り、見る者を飽きさせません。
妓夫役の中村聖と奥村睦巳は仲良くおどけて見せたり、アクロバットや回転などで格好良く決めて見せます。そしてこの公演ならではの一つ、和太鼓・虎姫一座のゆうきも巧みなバチ裁きの生演奏で魅せてくれます。
途中から姿を現した、二人の若侍・阿比留大樹と高島洋樹も踊りに参加して、大いに会場を盛り上げてくれます。

こうして、オープニングから会場のお客さんを巻き込み、お客さんがこの舞台『春夢共鏡』の世界に自分達もいるのだ。と実感する、正に魅力的な世界の幕開けなのでした。


そして一転。若旦那に買われた花魁は夜を共にする。

●若旦那・進藤学と花魁・青井美文の濃密な踊り。
初夜を思わせるその濃密な踊りは以外にもタンゴによって表現されます。その振り付け、ライティング、衣装全てが妖艶な演出です。にもかかわらず、いやらしさは微塵も感じず、余りの美しく洗練された2人の演舞に魅了されてしまうのです。

 

そうして、朝を迎えた彼女は美しい着物を何着も着、髪飾りを付け、化粧をし、身支度を整え、人々を魅了する名だたる”花魁”の姿となるのであった。

●見どころ満載なこの舞台。この”花魁”の早着替えを何と舞台の上で披露致します。
しかもそれだけではありません。その大変な所業を見ている者がその時間を持て余すことなく、常に目を離せない舞台での演出がそこにはあるのです。
先程のオープニングにもあったのですが、舞台へ映される映像美術がそれ、正に素晴らしい演出の一つなのです。

この舞台の総合プロデューサー・小林舞香が画家だからこそのこの演出。本当にこの舞台の最初から最後まで、全体から細部まで、あらゆる所にこの”世界”が表現されています。それを見る人には是非気付いて欲しい。

そして、視覚だけではなく、聴覚・音楽も素晴らしい。和文化と言って昔ながらの音だけを使うのでは無く、ストリングス、ギター、ドラムンベースなどを使ったコアな楽曲、そしてその曲調は”花魁”の華やかで美しい凜とした部分だけでなく、その中にある苦悩や儚さ・その憂いも感じられる、この”世界”とリンクしたような音楽が聞こえてくるのです。

 

そして、再度登場した若旦那が花魁を呼び大宴会を催す。
遊郭は若旦那をもてなす為に、全員総出で盛大に大変見ごたえのある美しい演舞の数々を披露。その素晴らしい宴を見て気を良くした若旦那は大判小判を盛大にばら撒くのであった。
それを拾って大喜びする一同。
同じくそれを拾い帰っていく、若旦那の用心棒の若侍二人。

●この宴の時間はまた素晴らしい、役の特徴を生かした幾つもの見ごたえの演舞がなされます。


帰り道の若侍二人。一人が間違って相手の刀を抜いてしまう。そして、刀を持つとつい出来心が…。
そして、途中で相手をうまく撒いた若侍はふと花魁とすれ違い…美しい二人の思い出の数々が蘇るのであった。
見つめ合う二人…と、そこへ若旦那が登場し、花魁を連れ去ってしまう。
身分を痛感する若侍であった。

●ここで、若侍・阿比留大樹と同じく若侍の高島洋樹、そして小気味良いゆうきによる和太鼓のリズムにのって、二人のアクロバットな殺陣コントが披露されるのです。
アクロバットの技術も高く、さらにおどけて見せるやり取りに観客もどっと沸きます。本当にこの作品の魅力は次から次へと湧いてきます。
花魁・青井美文と若侍・阿比留大樹の出会いのシーンもまた、画家小林の絵が素晴らしく美しく、じっくりと彼らの思い出へと見る者を引き込んで行きます。


場面転回。場所は吉原。
いつもの様に買い・買われる男と女。それが吉原の日常。
そこへ、怪しい影が忍び寄る…!

●ここで場面は変わり、吉原の遊郭が表現されます。その表現方法は独特で、何気ない仕草を影絵を通して観る事で怪しさが増すのです。


何も知らず何気ない日常を過ごす花魁と禿と振袖新造。
そこへ使者がやって来て花魁へ見受けを通達する。
複雑な気持ちで佇む花魁に、声をかける若侍。
自然と思い出話に花を咲かせる二人。
そして、つい心の内を明かしてしまう若侍…

●本当に切ない場面。花魁・青井美文の可愛らしい笑顔、若侍・阿比留大樹の爽やかさ、二人の個性も加わりそれぞれの役もまた光ります。

若侍の気持ちを知り、自分の気持ちにも気づいてしまう花魁。
苦悩する花魁。その苦悩は、花魁のしきたりの重さ故。
見受けをされて心を殺すか。恋しい人と駆け落ちをして命を賭するか。

●またこの苦悩のシーンも大変見どころの一つです。
透明になる鏡を数枚使い役者陣が花魁を中心に行きかう事で、花魁の心情を表現し、その無表情、無機質な動きは見る者に恐怖や困惑を彷彿とさせます。


——そして、迎えた祝言の日。
祝いの日にいつも以上に賑やかで陽気に包まれる吉原の人々。
皆に囲まれて祝われる、若旦那と花魁。

●ここで、一息。
禿役の大塚杏奈と妓夫役の中村聖と奥村睦巳がまたお客さんと交流して、場を和ませてくれます!
振袖新造役の井波知子と舞宮奈央は変わらず美しく舞い、そして、今度は大塚杏奈と舞宮奈央で大はしゃぎ!
中村聖と奥村睦巳も得意のバック中や和太鼓をいじったりして、お客さんへアピールしてこちらも場を楽しませてくれます!

皆に囲まれて祝われながら、若旦那と花魁は立ち去ろうとする。
そこに去ろうとする花魁をつかむ手が。
何と、若侍が花魁をつかんだのであった。
一気にその場の全員が凍り付く。
若侍を殴る若旦那。
だが、意を決して花魁を連れて逃げ出す若侍。
怒った若旦那はそこにいた男達に追えと命ずる。
男たちは逃亡者を追い、女性たちは逃げ惑う。
吉原は混乱した。
そして、妓夫は若侍に追いつき決闘を挑む。
だが、若侍に負け、後を追うとするも禿に止められるのであった。

●いよいよラストへと向かう重要な場面。激しい和太鼓が正面に配置され激しいプロジェクションマッピング映像と重なり合います。その直前で繰り広げられる激しい殺陣のシーンは背景と合わせてとても印象深く、より一層臨場感が増します。

 

そして、迎える衝撃の最後。
吉原の追っ手を振り切った若侍。ほっとしたのも束の間。
花魁を連れて逃げてくれたはずの同志の若侍の様子がおかしい。
若旦那に花魁を人質に捕られ、対決を余儀なくされた若侍の二人。
腕の立つ者同士、どちらかが死ぬだろう。
苦しみながらも闘い続ける二人。
そして、瞬間。
若侍は同志を切り捨てたのである。
それを見て怯えおののく若旦那。
自らに迫る若侍に、お金を渡し命乞いをしようとする。
そんな若旦那を切ろうとするも、同志を切った自分を許せない若侍は彼を許してしまう。
そして、若侍が思い人に近づこうとした刹那。
目の前が真っ赤に染まる。
響く断末魔の叫び。
最後の力で若旦那を切る、同志の若侍。
倒れた恋しい人にすがる花魁。
何回も何回もその名を呼び、揺さぶる。
そして、悲しみの余り花魁は自らの命も絶とうとする…
——しかし恋しい人から貰った手鏡がそれを阻んだのである。
生きろ。
満開の桜の花びらが舞い続けていた。


——舞台『春夢共鏡』
【出演】
大塚杏奈


奥村睦巳

井波知子


中村聖

舞宮奈央(Wキャスト)

ゆうき(虎姫一座・和太鼓)

高島洋樹


進藤学

阿比留大樹

青井美文

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——こうして、この日の舞台『春夢共鏡』は無事に幕を閉じたのでした。
最後まで目を離す暇は一切無い、80分間の舞台です。
言葉は一切話していないのに、これだけの事が見る者に伝わるだけの力がある舞台です。繰り返しにはなってしまいますが、
*各方面で活躍されている役者さんの個性を存分に生かした、演技、殺陣、踊り、和太鼓、美しさ、色んな技術のクオリティーが高く素晴らしいです。
*総合プロデューサーである小林舞香さんの描かれた衣装、小物、舞台美術、そして、映像に映し出される重要なシーンの美しいイラストの数々。と同時に、制作された映像作家さんの技術力の高さ、それを映し出す舞台セットのDisplay・Projection Mapping等、映像技術の高さ。
*聴覚から入って来る、音楽のクオリティーの高さと、随所で光る音楽の効果的な使われ方。
*そして、これら全てによって表現される喜び、楽しみ、笑い、愛、混乱、悲しみの物語。
この全てが細部にまで配慮がいきわたり、この舞台が創造されているのです。

そして、小林さんを始めとして、ここに関わられている方の思いは、全て実際の行動に現れていると思います。この日25日は浅草名物・サンバカーニバルの日でもありました。
この舞台の役者の方々は忙しい時間の合間を縫って、このイベントにも参加されたとの事なのです。
舞台の後の交流会も本当に地元の人を愛して行こうとする姿勢の現れだと思います。「浅草発 世界行」の文字通り、地元に愛され世界へ発信し、そして、世界の人々にも日本へ浅草へ来てもらいたいと考えているのが、本当に伝わってきます。

最後に是非その舞台の素晴らしさは実際に眼で見て、耳で聴いて、想いを感じてほしいと思います。そして、小林舞香さん始めとする役者さん、スタッフの皆様と是非交流して、今後も皆で盛り上げていけたら、こんな素晴らしい事は無いと思います。
追加公演、海外公演も決まっています!
せっかくのこの機会をお見逃しの無いよう、是非会場まで足をお運びください!

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【舞台「春夢共鏡」情報】

*2018年9月12日㈬~16日㈰* 追加公演決定!(浅草六区ゆめまち劇場)

*チケット販売::9月3日(月) 19:00より発売開始!*

※一部キャスト変更がございます。詳細は発表までお待ちください。
 Official HP ➡ http://shuntomo.com
 Official twitter ➡ https://twitter.com/shuntomo0821

 台詞が一切発されない舞台を優雅に支配するのは、春夢共鏡に寄せられた作曲家たちの宇宙的旋律。振付・青井美文によって、妖艶で甘美な融合が紡ぎ出される。画家・小林舞香の鮮やな世界観と若き演出家・阿比留大樹の斬新なアイディアで描く「浅草発 世界行」花魁ダンスパフォーマンスショー!!

【スタッフ】
総合プロデュース:小林舞香
演出/殺陣振付:阿比留大樹
振付/脚本:青井美文
音楽:春夢共鏡楽曲プロジェクト 
美術:小林舞香
ステージング:阿比留大樹/青井美文
衣裳:青柳佳寿美
ヘアメイク:MUU
タイトルロゴ : 雪書
宣伝美術:小林舞香
宣伝写真:カズキヒロ

【主催】
一般社団法人 Asakusa Growth Hackers

【企画 /制作】
春夢共鏡製作委員会

一般社団法人 Asakusa Growth Hackers

掲げるテーマは『浅草発 世界行』。
代表理事・小林舞香、理事・カズキヒロにより壮大な思い・日本の魅力を浅草から世界に発信する事を理念として、今年この団体が立ち上げられた。

Official HP ➡ http://agh.or.jp/

《総合プロデュース:小林舞香》

東京都出身の画家。 アクリル絵の具を使用し、手描きによる精密な写実画を特徴とした作品を制作。 2015年より海外での作品展開を始め、2018年現在まで半分をロンドン、半分を東京で過ごす。
2018年、浅草文化再掲を理念とした社団法人Asakusa Growth Hackersを設立。舞台『春夢共鏡』の総合プロデュースを行い、画家として舞台美術を担うだけでなく「キャンバスを超えた描写」としてダンサー、作曲家、映像作家、カメラマン、ファッションデザイナーを含めた美術集団を独自の世界観を主軸にまとめている。
画家HP/Maika Kobayashi : http://maika-k.com/
運営コンテンツ 『春夢共鏡』: http://shuntomo.com/
世界花魁道中:https://youtu.be/AeFcU_TItsw

文・写真/二月一日 写真/ataca maki、見上 徹

©ataca maki:PROFILE
イベント撮影やウエディング、エンゲージメントフォト、家族写真
様々な業種の店舗のwebページ、ブログ、DM等の撮影も行う。
Website➡ http://151truevine.wixsite.com/less-is-more

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