4月27日㈯・28日㈰に千葉・幕張メッセにて過去最多の16万8000人が来場し、大変好評裏にて開催された平成最後の「ニコニコ超会議2019」。本項では新潟県長岡市の「長岡花火」をVR動画で体験できる「VR長岡花火」をレポート!日本最大級伝統花火大会と最新技術をかけ合わせると一体どうなるのでしょうか?その迫力や魅力をお伝え致します 。
【 What’s 長岡花火? 】
毎年8月2日と3日に新潟県長岡市の信濃川の河川敷で開催される、長岡まつり大花火大会のことです。大曲の花火こと全国花火競技大会(秋田県大仙市)、土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)とともに日本三大花火大会の一つに選定されています。 長岡の花火大会の起源は1879年にさかのぼります。一方、「長岡まつり」の起源は1945年8月1日の長岡空襲です。慰霊と復興のために空襲から1年後の1946年8月1日に開催されたのが、長岡まつりの前身にあたる「長岡復興祭」。更に翌年の22年に復活したのが現在の大花火大会です。1951年に現在の形になりました。
【 ラスボスも降臨 】
27日には“ラスボス”こと小林幸子さんも来場し、故郷の風物詩を体験しました。ブログにて「かなり臨場感がありました!私は、生で見たことがあるのですが、もちろん生の音の振動響き、迫力には敵わないものの、とっても楽しめました!」と太鼓判!故郷を満喫しました。更に「これを見て、ぜひ本物の長岡花火を見たい!と思ってくれたら嬉しいな!」と読者にメッセージを贈っています。
【長岡まつり大花火大会の会場にトリップ!】
ブースの待ち合い椅子のサイズ感や看板の雰囲気が現地の風景を彷彿とさせます。待ち時間は15分から20分ほどで、花火会場を模したスペースに用意された椅子に腰掛け順番待ちをします。宙を見上げたり、左右を見渡したりする体験者を見ていると一層興味をそそられます。
この間に体験したい動画を4種類の中から1本選択します。今回は運営スタッフさん推薦の「復興祈願花火フェニックス」にしました! 運営スタッフさんによると「新潟県中越地震からの復興を願って2005年から打ち上げが始まりました。今年は15周年の節目を記念して、特別版のフェニックス花火を打ち上げることになっています」とのことです。
【 Let’s VR体験! 】
ヘッドホン、ヘッドマウントディスプレイの順に装着すると、視界に広大な信濃川河川敷が広がり、花火を待つ人の息遣いや会話、様々な会場の喧噪が聴こえてきます。
平原綾香さんの「Jupiter」のリズムに合わせてスターマイン花火が打ち上げられます。
曲の中盤では水面からも花火が映り込み、不死鳥や彼岸花のようなシルエットが浮かびます。
最後のサビでは出し惜しみなしで尺玉花火が乱舞!音響の迫力が凄まじく、耳は花火の音で埋め尽くされます。曲の最後には全ての点火装置から一斉に花火が炸裂し、親子の不死鳥が飛び、静かに動画は終了します。花火の壮大さと音楽の相乗効果で、筆者の目頭にはうっすら涙が浮かんでいました。
【「VR長岡花火」インタビュー】
感動冷めやらぬ中、映像ディレクターの金田さんにお話を伺いました!
Q、フェニックスにはどんなメッセージが込められているのでしょうか?
「地震発生時に支援してくださった多くの方々への感謝と私たちは元気ですよ、といった想いを込めています!」
Q、フェニックスの音楽が「Jupiter」なのはなぜでしょうか?
「地震発生後のラジオで流れていたのが平原綾香さんの「jupiter」でした。当時、県内ラジオ局には、震災によって気持ちが沈んでしまっていた被災者を勇気づける曲として多くのリクエストがあったそうです。「ひとりじゃない」という歌詞に多くの方が励まされていました。」
Q、VR動画制作はどのような経緯で進みましたか?
「2012年から大花火大会をネット中継しています。お陰様で視聴数も現地の動員数も増加しまして、現地動員につなげることに成功しました。次のターゲット層の一つを首都圏の若者にしました。彼らに足りないのは祭り、そしてスケールの大きさ。これらがノンバーバル(非言語)で分かるものです。と提案したのがVRによるPRです。」
Q、VR動画制作時の裏話などはありますか?
「生の花火を動画にするとき、敢えて情報をマイナスワンします。(ユーザーが)VRを観てリアル(現実の花火)に戻るように作っています。実際の花火には視野角がありません。VRで感じる視野角は、現実には存在しないのです。なので、河原に行けばもっとすごい!と体感できるものになります。花火のスケール感を表すのにテクノロジーと情報を使うんです。例えば、フェニックスの全長2キロというのは東京駅から秋葉原駅までの距離です。このように定量化していきます。もちろん、花火自体のポテンシャル本物であることが重要です。生のものを翻訳するのがディレクターの仕事です。」
長岡花火財団の職員さんにも伺いました!
Q、VR動画によるプロモーション効果はでていらっしゃいますか?
「初の試みのため未知数です。VRは若者を花火会場に呼ぶ目的があるので期待していますね。特に今年は金曜日・土曜日開催なので足を運びやすいと思います。」
超会議で先行販売された今年の本物の長岡まつり大花火大会の有料座観覧席は、予想の3倍も売れたとのことで、まさにVR長岡花火として超会議へ参加されたPR効果があったという事ではないでしょうか?
VR動画の迫力もさることながら、当然本物の迫力・美しさを皆様に是非観覧して欲しいと思いました!今から夏が待ち遠しいですね!
取材に快く対応してくださいました金田様、長岡花火財団の職員様に心より感謝御礼申し上げます。
●ニコニコ超会議2019 VR長岡花火企画ページ➡
https://chokaigi.jp/2019/sp/booth/vr_nagaoka.html
●長岡花火公式サイト(一般財団法人長岡花火財団)➡
https://nagaokamatsuri.com
写真/ 皆美光 Official Photos
文/希見部 真大(きみべ まひろ):1988年生まれ。アニメやマンガをはじめとした現代文化、和楽器や和菓子、日本のお茶をこよなく愛する。
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